課題文『自分のアタマで考えようー知識にだまされない思考の技術』

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先日、匿名で答案添削の依頼がありました。
当塾は、学習にまつわる相談は無料で広く実施していますが、小論文添削を無償で行うサービスは提供しておりません。これを受けて急遽、単発で添削に対応するコースを設定することにしました。

2025年4月より私立大学で講義科目[ロジカルライティング]を大学教員としてレクチャーする講師が教える高水準でわかりやすい大学入試小論文講座

2025年度一般選抜[小論文試験]直前期対策の決定版講座!

《国公立大学後期日程向け小論文》超短期集中講座
《国公立大学後期日程向け小論文》超短期集中講座
直前期対策で短期間で一気に合格圏内の答案を書けるようにするための講座

◉後期日程試験向け[特別コース追加]の案内
前期日程の合格発表直後である3月6日(木)から11日(火)までの6日間[後期日程試験向け 直前速習コース]を開講します。受講料は3月6日(木)の講座申込分から¥98,010となります。

湘南高校(公立・神奈川)現役生現代の情報社会メディア社会に関する知識を旺盛に身につけ、論考を見抜く視点の鋭さを武器に小論文対策を進めて合格を勝ち取った!
自由の森学園高校(私立・埼玉)現役生課題文として出題される社会科学を築き上げてきた思想家らの難しい論考を徹底的に読み込み、関連知識を習得しながら要約力を鍛え上げて合格!

私立大学の二次試験が概ね終了し、国公立大学の前期日程試験がおこなわれました。
国公立前期日程試験の「手ごたえを感じなかった」受験生は、すぐに後期日程試験に向けた小論文対策を開始する必要があります。
合格発表後からの準備では1週間弱しか小論文対策に時間が投じられません。早めの対策開始が合否の鍵を握るでしょう。

小論文を「合否をわける重要科目」として捉えたうえで、短期間一気に対策と準備を進めることが重要です。
受験に打ち勝つためには着実な小論文対策をおこなう必要があります。ライバルに差をつける高い水準の小論文準備をおこないましょう。

2025年2月25日以降から小論文対策を短期間でおこなう[国公立大学後期日程]講座を開講します

全国から当校に受講生が集まっています。

☞本年度受講生の所属高校 ※一部抜粋

【公立】

神戸高校(兵庫)川越高校(埼玉)湘南高校(神奈川)緑ヶ丘高校(神奈川)川和高校(神奈川)市立南高校(神奈川)都立国際高校(東京)小松川高校(東京)石橋高校(栃木)五条高校(愛知)甲府第一高校(山梨)風越高校(長野)伊丹高校(兵庫)James B conant high school(シカゴ)ほか

【私立】

国学院高校(東京)本郷高校(東京)桜美林高校(東京)青陵高校(東京)杉並学院高校(東京)昇華学園高校(東京)品川女子高校(東京)共立女子高校(東京)芝浦工大柏高校(千葉)秀明高校(埼玉)英理女子学院(神奈川)浜松日体高校(静岡)盛岡中央高校(岩手)福岡大大濠高校(福岡)昭和薬科大学附属高校(沖縄)ほか

小論文試験全般に関する説明

小論文試験は、
高校で「小論文」といった授業科目が設定されておらず、
また、「小論文」という高校教科書があるのでもなく、
高校で「小論文の書き方」を教わった経験のない人も多い、
そして、正答例を「なんとなく『眺める』」だけで、実力が自ずと向上するわけでもない

いわば「ないない尽くし」のなかで学習を進める対策が難しい科目です。

本番の試験で着実に高得点を取るには、
論文とはそもそも何か
論文のルール、作法、構造とはいかなるものか
論理的思考力、表現力、読解力をどのように培うか
図表読み取り問題で問われる《情報の取り出し》《解釈》《評価》

について理解したうえで、的確に対策と実践演習を進める必要があります。

合格者の声(2025年度大学入試)

①「小論文は苦手」を克服できるレクチャー
②「想像できないくらい文章力を向上させることができました」
③小論文の個別オリジナルテキストとなる詳しい講評・丁寧な添削
④「受かる小論文」の書き方がわかる、書けるようになる
小論文対策 学習支援!| 講義スライドを特別公開中‼
《そもそも小論文とは?》をわかりやすく70頁で説明
(画像クリックで
公式LINEアカウントページへ)
小論文対策講座!|わかりやすく丁寧なレクチャー、質の高いオーダーメイド対策で合格へ
(サイトメニューから
各講座紹介ページへ)
当校受講生合格者インタビュー!
(※画像クリックで「合格者の声」ページへ)
秀明高校(私立・埼玉)現役生|過去問の精緻で詳細な分析から類題を選定し、徹底した実践演習で苦手な小論文を克服して合格!
早稲田大学ラグビー部推薦合格者2025
目次

課題文

寄せられた答案

講評

結論から言えば、厳しい指摘と感じるかもしれませんが、答案は採点者である大学教員から小論文ではなく、作文(散文)とみなされるため、残念ながら合格圏内に大きく届いていません。

小論文の答案として致命的な欠陥は次の3つが挙げられます。

第一に、序文で小学生の時の回想が用いられていますが、この答案でなにを示すのか、大きな問題意識がまったく示されていません。

問題意識というのは、問題設定(問い)を支えるもので、わかりやすくいえば「なぜこれを論じるかといえば、こういうことに関心があるからだ」ということです。

問題文に示されている通り、ネット時代における記憶と思考、そして思考の枠組についてどのように捉えているのかを冒頭で説明(記述)する必要があるにもかかわらず、なにも触れられていません。

例えば、

今日、パソコンやスマートフォンが普及し、誰でも簡便に情報を発信できるとともに、不特定多数の送り手から情報を受け取りながら、「知識」を得られるようになった。こうした利便性の享受の一方で、多くの知識からいかに思考の枠組を築くのかが問われている。

といった文章を置かないと、一体この答案はなにを主張しようとしているのかが不明なまま(どこに連れていかれるのか皆目わからないまま)、採点者は文章を読み続けなければなりません。

これは「そもそも《小論文とはなにか》について理解していないのだな」という印象と採点結果を序文でもたらしています。

第二に、二段落目では、中世日本の事象と年号が記されているものの、そもそも「なぜ日本史に関する記憶」を具体例として取り上げるのか理由が述べられておらず、それが作文(感想文)の域を出ない大きな理由の一つとなっています。また、「日本史の思考の棚」もなにを指し示しているのか採点者(読む側)にはよくわかりません。

第三に、三段落目では、漢字や九九、英単語を「意味もなく大量の情報を覚えさせられた」と記述していますが、これらは「意味がない」情報ではなく、《読む、書く、話す》という思考の基盤をなすもので、採点者からは大きな失点、あるいはこの記述だけで不合格と判断されうる、いわば非常に危険な記述をしてしまっています。あるいは、思考枠組の基盤となる知識について、根本的な「勘違い」「取り違え」をしてしまっているとみなされる恐れがあります。

また、第一段落および第三段落の最終文に「やはり」という語句が用いられていますが、なぜ「やはり」なのかは読む側にはまるでわかりません。

さらに言えば、最終的な結論は「深く考えることで長く記憶できるようにすべき」と示されているものの、これは問題文にある思考枠組ではなく、記憶方法についての記述となってしまっているため、序文から採点者の抱えた「?」は最後まで解消されない印象の答案となっています。

むしろ、序文にこの最終的な結論を示したうえで、論を展開したほうが説得力が増すでしょう。

根本的な課題として、作文と小論文の違いはなにか、小論文とはどういうものなのかに関する理解をする必要があります。この答案では、採点者の求める「大学入学後にレポート作成を行うためのごく基礎的な能力」があることを示すことができません。上述の通り、大きな課題がある答案のため、取り急ぎ講評のみとします。

補足

匿名で無償の添削希望に応じることはかないませんが、各講座単発添削コースに受講申込をいただいた方に対しては、実力やレベルに関わらず、(当然)添削の赤字を入れたうえで戻します。

正直に申し上げますと、この匿名で添削を希望された高校生の方は、基本講座を受講のうえで《そもそも(小)論文とはなにか》について講義を通じて理解していただきたかったと思います。というのも、このままいわゆる《オペ(手術)》が施されず、「なにか答案を書く練習はしているけれども、なにが正しい答案かはよくわからない」状態のまま本番の試験会場に行ってしまったら大変な事態となってしまうからです。

はっきり申し上げれば、この答案では合格することが残念ながら難しい。

大学受験は、高校生や浪人生の皆さんにとって、人生を左右する大きな事柄です。

当塾のみならず他塾を含めた宣伝になってしまい恐縮ながら、「無償や廉価」で小論文試験という《各自にとって「正答」の異なる試験科目》を制するというのは、かなり無理があることだと思います。現実的には不可能だろうと思われます。

きちんとした内容の指導、しっかりとした質の指導が小論文対策には必要不可欠だろうと思います。

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