結論からいえば、要約は「自分の考え」を盛り込みません。
あくまで著者やその論考の主張をまとめます。
しかし、実は、まとめる視点そのものに暗に「自分」が前提されています。
なぜなら、それが重要だと感じるのは、ほかでもない「自分」だからです。
ただし、要約が論者の主張をまとめることである以上、その力のある人がまとめれば、重要だというポイントはほとんど同じ(共通/同一)になります。従って、ポイントがずれていれば減点され、得点できません。
論文のプロ(大学教員/優れた研究者)になってくると、相手(著者/執筆者)以上に、その論考についてより一層深く理解しているという事態が発生します。
あなたは自分で論を書いて展開しているけれども、自分で気が付いていない、こういう点が書かれてしまっていますよ、あるいはあなたは自分で気づかないうちに、こういう点を前提にして書いてしまっていますよ、
ということを指摘するわけです。
要約というのは、相手(著者/執筆者)=課題文(論考)のことを、とにかくがっちりと把握することが求められます。
小論文試験は、
①高校で「小論文」といった授業科目が設定されておらず、
②また、「小論文」という高校教科書があるのでもなく、
③高校で「小論文の書き方」を教わった経験のない人も多い、
④そして、正答例を「なんとなく『眺める』」だけで、実力が自ずと向上するわけでもない
いわば「ないない尽くし」のなかで学習を進める対策が難しい科目です。
本番の試験で着実に高得点を取るには、
①論文とはそもそも何か
②論文のルール、作法、構造とはいかなるものか
③論理的思考力、表現力、読解力をどのように培うか
④図表読み取り問題で問われる《情報の取り出し》《解釈》《評価》
について理解したうえで、的確に対策と実践演習を進める必要があります。
合格者の声(2025年度大学入試)
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