JETRO(日本貿易振興機構)【小論文解説】

JETRO(日本貿易振興機構)【小論文解説】
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早稲田大学院博士課程出身講師がレクチャー
多数の作文・小論文・大学生レポートを採点。雑誌寄稿、論文執筆の経験
目次

JETRO(日本貿易振興機構) 小論文の概要と傾向

JETROについて

JETRO(日本貿易振興機構)は、就職活動で人気のある団体です。

経済産業省所管の独立行政法人であることから公的組織として運営され、その安定性やグローバルに仕事で活躍できる職種も多いことから魅力を感じる大学生・大学院生も多いでしょう。

HPによれば、組織のミッションについて次のように述べられています。

ジェトロは貿易・投資促進と開発途上国研究を通じ、日本の経済・社会の更なる発展に貢献することを目指しています。

70カ所を超える海外事務所ならびに本部(東京)、大阪本部、アジア経済研究所および国内事務所をあわせ約50の国内拠点から成る国内外ネットワークをフルに活用し、対日投資の促進、農林水産物・食品の輸出や中堅・中小企業等の海外展開支援に機動的かつ効率的に取り組むとともに、調査や研究を通じ我が国企業活動や通商政策に貢献します。

ジェトロについて https://www.jetro.go.jp/jetro/

就職活動での選考内容

いくつかのWebサイトを参照すれば、①エントリーシート、いわゆるESの提出後、②小論文(オンライン)による足切りのうえ、③一次、二次、最終面接が実施されているようです。ごくオーソドックスな就活における選考といえるでしょう。

小論文出題例

上述のサイトをみると、次のようなテーマが出題されているようです。

出題テーマ

  • アフリカ市場の可能性について、それに対しJETROは何ができるか
  • 日本の地方が抱える課題とJETROの役割
  • SDGsについて貢献できること
  • アジア諸国の経済的台頭とこれからの日本と戦略について
  • 日本にイノベーションを起こすためにできること

【横浜市立大学 国際商学部A方式・B方式[前期]一般選抜】では、2022年にチュニジアで8回目の国際会合として開催されたTICAD8に関する新聞記事から開発途上国における「開発」について出題されました。

JETROの小論文出題の参考となるはずです(ただし、学問的な「問い直し」の姿勢をJETROは重視するというよりも、実社会における実践的な論理的思考力、表現力をみようとしている点で、後述の通り出題の意図や意味、求められている答案の方向性は異なるといえるでしょう)。

小論文が出題される理由

当校の考える小論文が課される理由は次の3つです。

①公的組織における文書作成能力

JETROは独立行政法人であって、株式会社ではありません。営利利潤の追求ではなく、「貿易・投資促進と開発途上国研究」を目的とする組織です。

したがって、この組織に所属すれば、そうした活動に関して文章や図表、写真や動画ほかを用いながら文書やプレゼンテーション資料を作成し、組織内のみならず社会的に発信することが想定されます。

その際に、分かりやすく言って「文章が書けない」「文書が作れない、まとめられない」ということでは仕事にならないということです。そのための基礎的な能力があるのか否かを測定し、選考するということです。

論理的に文章を連ねて、ひとまとまりの意見や主張として整合性のとれていることが重要です。

②面接時の参考資料

文章で書かれたこと(小論文)あるいはそれに関連した内容について、適宜面接で質問される可能性もあります。小論文自体としての評価とそれを他者にわかりやすくかつ論理的に、そして説得力をもって口頭で説明できる能力、またいわばコミュニケーション能力も就活ではもちろん重要です。

わかりやすくいえば、書いたことと話していることに矛盾や乖離がないということも大切だということです。それは、職務を遂行する能力と同時に人柄、いわゆるキャラクターも就活ではみられることを意味しています。

卑近な表現をすれば、「優秀だけれど、一緒に仕事をしたいと思えない」という人を企業や団体は採用しません。

したがって、JETROで出題される小論文はただ単に小論文として優れているだけでなく、その後の面接選考も見据えた執筆をおこなう必要があります。

③アジア経済研究所の成果物への理解と抜擢可能性

JETROの調査研究を担うのがアジア経済研究所です。国内有数のシンクタンクと言っていいでしょう。この研究所が示す諸外国や開発途上国に関する経済状況などに関する知見は、公的機関にふさわしく最高水準とみなされています。ここの研究者は高等教育機関の教員水準でしょう。アジア経済研究所で独自の採用選考をおこなっているようですが、JETROの中から優秀な人は同研究所に配されることもあるでしょう。他業種ながら、例えば大和証券に入社して数年後に素養を見込まれ、大和総研に転じるといったケースを見聞きしたことがあります。また、JETRO職員であれば、アジア経済研究所の研究成果とずっとまるで無縁で過ごすというわけにもいかないはずです。

ここの出版物、レポート、ジャーナル、マガジン、書籍、統計資料などに目を通す機会も多いはずです。つまりそうした成果物を理解できないと「仕事にならない」シーンも多いだろうと思われます。

ゆえに、小論文試験を課して「書く」能力を測り、「書けるか」のみならず「読めるか」「理解できるか」「それを職務に活かせるか」も測定しようということです。

大学入試小論文との相違点

大学入試の小論文選考は、学術領域における《批判(批判的思考)》、端的にいえば「問い直し」つまり「常識」を疑うことができるかを判断基準に据えているか否かだといえるでしょう。

大学入試小論文は、大学入学後に《学問》に取り組む基礎的な能力があるのか、批判的に物事を捉え、考えられる素養をもっているかを測るのに対して、JETROの小論文選考では「問い直す」能力というよりも現実世界の把握能力やそれを的確に書きまとめられるかという表現能力を問うています。

なぜなら、JETROに入職して行うことは、学問ではなく、実際の業務だからです。もちろんアジア経済研究所は、経済学や開発経済学、地域研究や外交、国際関係ほかさまざまな社会科学領域のレポートを学術的にあるいは学術的な手続きに則って進めている一方で、すべての職員が《学問的》に業務を遂行しているわけではありません。

JETRO職員に求められているのは、実務的にアジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの主要国や開発途上国の経済社会状況、日本との貿易、日本企業の海外進出、外国企業による対日投資促進に関する各種の情報発信を通じて日本の企業活動や通商政策に貢献することです。つまり、調査と研究などの活動を通じて得られるそうした情報に大きな価値を置いている団体だということでもあります。

JETROの小論文対策については、上述をふまえたうえで、単発添削で対応します。

※1 参考までに付言しておけば、答案を執筆した際は、出題分析の質の高さが担保された添削講評を受ければ、いわゆる書きっぱなしにならずに済むため、当校ほかで提供している「単発添削」や「講座受講」を活用することを勧めておきます

※2 なお、当校講師は社会情報学、メディア研究で博士課程で修学した経験や私立大学で「情報社会論」の講師を務めた経験があるため、東大情報学環(大学院修士課程)入試や社会科学系大学院修士課程入試の論文指導も可能です

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具体的な対策問題

過去問以外に、どのような問題に取り組むことが小論文対策になるかわからないといった相談の声が寄せられることがあります。
当校では、アドミッションポリシーを分析し、過去問以外で事前に取り組むべき対策問題を選定して提示するほか、時事課題論文については新聞記事から作問して用意するケースもあります。

参考)東大情報学環・お茶の水女子大・一橋大 院試過去問

例えば、東大情報学環(大学院修士課程)入試では、次のように出題される(2020年過去問)。
院試では課題文は与えられないことが一般的です。

以下はお茶の水女子大と一橋大の修士課程の過去問(2023年)。

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