埼玉大学 教育学部[前期]一般選抜 小論文の概要と傾向
小論文試験は、
①高校で「小論文」といった授業科目が設定されておらず、
②また、「小論文」という高校教科書があるのでもなく、
③高校で「小論文の書き方」を教わった経験のない人も多い、
④そして、正答例を「なんとなく『眺める』」だけで、実力が自ずと向上するわけでもない
いわば「ないない尽くし」のなかで学習を進める対策が難しい科目です。
本番の試験で着実に高得点を取るには、
①論文とはそもそも何か
②論文のルール、作法、構造とはいかなるものか
③論理的思考力、表現力、読解力をどのように培うか
④図表読み取り問題で問われる《情報の取り出し》《解釈》《評価》
について理解したうえで、的確に対策と実践演習を進める必要があります。
合格者の声(2025年度大学入試)
試験の概要
出題形式:
※大学HPで過去問公開
配点:300/300
時間:
出題の傾向
難易度:標準
【ポイント】
教育学部らしい社会科教育の実践とその意義、重要性について端的に問う良問である。
東京学芸大など教員養成課程、教育学系の出題にみられるコンパクトな設問で、教育は人間、社会、文化にとってどのような意味があるのか、どのように捉えられるのかといった根本的な意味を問う設問スタイルである
(なお、当校講師は修士課程で教育学研究科 社会科教育専攻)。
令和5年度は社会科教育と共生社会、令和3年度はそれと宗教についてダイレクトに問うものであった。令和4年度は少子高齢化と人口減少という人間や社会にとって根本的なテーマである。
ポイントは、社会科のほか各教科の初等中等教育における小中高生に対する教授について理論(大学入試小論文では教育にまつわる理論というよりは、教育の理念の記述となるだろう)と実践(実際に教室で具体性をもって児童へ授業で伝える)の双方を必ずふまえながら立論することである。
つまり、理論や理念だけでは足りず、実践(具体的な事例)のみでもなく、論じることが重要である。これはある意味で教育学の「背骨」をなすものといってもいいだろう。
そのためには、理論については、例えばアクティブ・ラーニングや協働学習/協同学習のほか教育に関わる事柄を事前に学んでおく必要がある。また、例えばジョン・デューイに関する新書を読んでおくなどが対策となるだろう。一方で実践に関して、自身の授業経験だけでなく、当該の埼玉大学や他に東京学芸大学などのHPや教育学系の論集などに目を通しておけば対策としては万全だろう。
※なお、当校講師は社会情報学、メディア研究で博士課程で修学した経験や私立大学で「情報社会論」の講師を務めた経験があるため、東大情報学環(大学院修士課程)入試や社会科学系大学院修士課程入試の論文指導も可能です
具体的な対策問題
過去問以外に、どのような問題に取り組むことが小論文対策になるかわからないといった相談の声が寄せられることがあります。
当校では、アドミッションポリシーを分析し、過去問以外で事前に取り組むべき対策問題を選定して提示するほか、時事課題論文については新聞記事から作問して用意するケースもあります。
参考)東大情報学環・お茶の水女子大・一橋大 院試過去問
例えば、東大情報学環(大学院修士課程)入試では、次のように出題される(2020年過去問)。
院試では課題文は与えられないことが一般的です。
以下はお茶の水女子大と一橋大の修士課程の過去問(2023年)。
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