周南公立大 学校推薦選抜&総合型選抜&一般選抜 小論文の概要と傾向
小論文試験は、
①高校で「小論文」といった授業科目が設定されておらず、
②また、「小論文」という高校教科書があるのでもなく、
③高校で「小論文の書き方」を教わった経験のない人も多い、
④そして、正答例を「なんとなく『眺める』」だけで、実力が自ずと向上するわけでもない
いわば「ないない尽くし」のなかで学習を進める対策が難しい科目です。
本番の試験で着実に高得点を取るには、
①論文とはそもそも何か
②論文のルール、作法、構造とはいかなるものか
③論理的思考力、表現力、読解力をどのように培うか
④図表読み取り問題で問われる《情報の取り出し》《解釈》《評価》
について理解したうえで、的確に対策と実践演習を進める必要があります。
合格者の声(2025年度大学入試)
試験の概要
出題形式:
※大学HPで公開
配点:
時間:
出題の傾向
難易度:標準
※以下、青地はリンク
大学について
2022年4月に徳山大学が公立化し、周南公立大学となった。
そして、2024年から経済経営学部、人間健康科学部・情報科学部の3学部体制となるようである。
大学のHPでの説明によれば、その中心にウェルビーイングが据えられている。
それを見越したうえで、令和5年度の福祉情報学部[総合型選抜]では、『ウェルビーイング』という書名の本が課題文として採られている。この大学の受験者は必読の出題だろう。
そして、人間健康科学部に看護学科が設置される。多くの都道府県の公立大学に看護学部が設置されている。看護師の人員不足に対応する国家的な施策といえるだろう。
周南公立大学は、なかなかユニークな大学である。
教員一覧をみれば、客員教授に元野球選手で引退後、広島大学の修士課程を経て同大スポーツセンター客員教授という肩書の野村謙二郎や漫画家の弘兼憲史が名を連ねている。
むろんこうした著名人を教員陣にブッキングすることは珍しいことではないものの、《大学としての新鮮味》を打ち出すための工夫や苦労の跡がみられる。この大学が辿ってきた紆余曲折の痕跡を示すようでもある。
出題の特徴
さて、入試小論文でも特色を出そうという出題と解説がHP上で公開されている。
課題文が、ほとんどすべて著作権の都合から伏せられている大学もあるなか、この大学の出題は公開されている。また、出題をみればすぐわかる通り、図表読み取り問題に特徴をもたせている。
過去に出題された図表はどれも平易で、読み取りに難儀するものはない。
ところが、大学による解説では次のような文言が並ぶ。
採点者である大学教員に「?」と感じさせた項目
- 文章化するにあたって、課題文中の用語や表現を採り入れてはいるもののその文意を十分につかみきれていないと思われる解答が散見された。
- 論文の体を取っていない文章が見られた。
- 作問者の問いに答えられておらず、自分が書きたい文章を説明するだけの文章がしばしば見られた。「問1 と問2 を踏まえて」と問うているので、これらの論点整理を済ませて書き出すことが求められる。
- 多くの解答は、本文中の言葉をつぎはぎで貼り合わせている。筆者の見解のポイントを整理した上での解答ができていない。
- 筆者の見解と自分の見解が結びつけられていない解答が多く見られる。
- データから問題点を発見し説明する設問であるが、個人の体験を中心に論じた解答が見られた。
- 具体例の単語(いじめ、上下関係など)のみ引用しており、筆者の主張が引用できていない。
- 具体例の引用ばかりで、それらを踏まえた自らの主張ができていない。
- 具体例での筆者の主張と自らの考えが合致していない。
- 「電子書籍」と「インターネットの情報」を混同している記述が複数みられた。
- 全体を通して、図表に示されている客観的事実をただ説明しているだけの解答が多く、図表から重要な情報を読み取り、その情報がどのような社会情勢や人間の行動・心理を反映しているのかについて深く考察している解答が極めて少なかった。
- また、図表読解の問題では与えられた情報からどこまで論理的に課題解決の方法を論じられるかが重要であるが、図表には全く示されていない根拠のない情報(テレビで見た、等)を用いて飛躍した持論を展開する解答(私の祖父母は○○を実践している、等)も散見された。
- また、論文を作成する上で、採点者が読み取りやすい文字で書く(丁寧さ、濃さ、等)、誤字・脱字に注意する、文の始まりに「私は」を用いない、「~なのだ」といった断定的な表現を用いないなど、基本的な作成技法が身に付いていない受験生が多いように感じた。
- 道のイメージとして説明していない答案や両者の違いを対比させて明確に述べていない答案がみられた。
- 出来事の具体的説明で用いられた表現(例:ベルトコンベア)をそのまま使用している答案や、抽象的な言葉のみを用いることで十分な説明になっていない答案が存在した。
- 出来事の具体的説明で用いられた表現をそのまま使用しており、両者の特徴を明確に表現していない答案が存在した。
- 本文の引用が多すぎる答案や話題や論理に一貫性が乏しい答案があった。文章量を無理に増やそうとしたからかもしれない。
目についたものだけ抽出しても、20個弱ある。
当校受講生にもみられる解答傾向である。見事なまでに合致している。
課題を認識し、矯正したり克服せずに、本試験に臨むことでこうした大学教員からの優しくも辛いコメントが居並ぶことになる。
つまり、こうした点は当校HPで《そもそも「受かる小論文」とは?》で説明しているように、採点者である大学教員の先生に「?」と感じさせた小論文答案だということです。言い換えれば、減点もしくは失点の対象を大学側が丁寧に列挙してくれているのです。
ぜひ、当校でアップしている《小論文の書き方》の中でも詳しく説明しているので参照してほしい。
以下、中央の【小論文・図表データ読み取り問題のポイント!(約15分)】Web講義で上述を説明しています。
【動画目次】
00:00:00 スポ科出題の傾向と対策・2025年度総合問題について
00:02:20 《スポーツを論じる》とは
00:03:25 スポ科小論文対策の必須購読書(赤本推奨書はNG)
00:07:54 大学共通テスト[現代国語]詳細解説&共テで学べる小論文対策
00:14:03 論文とは何か・論文の書き方※講義抜粋
00:16:38 小論文は「私は」と書かない!?作文と論文
00:17:20 論文の基本的な構造
00:17:35 要約の基本
00:18:39 小論文の要諦とNG
00:19:24 小論文のテクニック5選
00:19:50 質疑応答
【動画目次】
00:00:00 OP
00:00:32 答案はどうなっていると減点されるのか?
00:03:35 答案はどうすると加点、高得点になるのか?
00:05:34 スポ科2025年度総合問題で重要なこと
00:06:23 基礎的な考える力
[2024スポ科発表の出題意図]
00:07:33 小論文の採点とはどのようなものか?
00:09:52 主張や指摘は理由や根拠とともに示す
[2024スポ科発表の出題意図]
00:12:06 ターム(単語)の並置
00:12:28 文章技法・三点セット
00:13:50 資料読み取り問題は「特殊」なのか?
00:14:29 カギカッコ~常識を疑う
00:14:52 スポーツをカギカッコに入れる?つまり「この世からスポーツがなくなったら…」
【動画目次】
00:00:00 OP
00:00:21 スポ科専願の理由
00:03:50 大学共通テスト得点状況
00:05:41 講座受講時の提出答案と添削状況
00:06:21 試験直前答案のピンチとは!?
00:07:38 講座内予想問題と本番試験
00:09:34 2024年度問題「この世からスポーツがなくなったら」
00:10:39 合格のポイント1
00:12:55 合格のポイント2
00:15:36 小論文のポイント1
00:16:27 スポ科答案論文のポイント
00:19:06 当校の見立てるスポ科答案採点基準
00:21:07 大学入学後にやりたいこと‼
00:23:18 合格後の小論文に関する感想
00:24:49 小論文のポイント2
00:25:30 小論文試験が課される理由
00:26:20 当校講座受講のメリットと内容水準
00:27:10 ご家族の合格の喜び
00:27:45 合格のポイントまとめ
00:28:56 合格のポイント再まとめ
00:29:22 合格の実感は?
対策・レクチャーと目標・目的
当校では、《保護者の皆様へ》で記した通り、
・大学教員は、論文のなにをみて優劣を判断しているのか
・大学教員は、どのような訓練を経てきた人たちなのか
・大学教員は、どういう考え方をする人たちなのか
に通暁しています。
また、《当校の強み》で示しているように、
・作文査読多数
大手新聞社で数千通のコンテスト応募作文・小論文を査読
・大学講義レポート採点多数
多くの大学生のレポートを採点(成績評価)
・雑誌寄稿多数
商業誌(音楽誌・オーディオ誌)へ寄稿
・論文執筆経験
学会発表の経験
・ビジネス文書作成多数
ビジネス実務や広報・広告などに関わるさまざまな文章や文書にも精通
といった経験から、各講座の講義と添削を通じて、大学教員の先生に「?」と感じさせない答案、つまり「受かる」小論文が書けるようになるようレクチャーしています。
かなり厳しい指摘もおこないますが、結果として大学入試当日に「合格できる」小論文を書ければ、それはある意味で受講生も当校の双方とも「勝った」ことになります。
合格という目的のためには、水準を下げるよりも上げておくに越したことはないと、周南公立大学の問題解説・講評から強く感じた次第です。
これ1冊で本格的な小論文対策が学べる入門書。受講生・購読者から大きな反響
¥2,980円(税抜)¥3,278円(税込)
動画解説(※画像クリックで遷移)
※1 受講生には繰り返ししつこく伝えてきたところではあるが、本試験では当校なりが臨席したうえで隣で答案執筆の介助や補助線を引くことはもちろんできない。サッカー選手のように、ピッチ上に出場した選手としてドリブル、パス、ポジショニングの自己判断を下しながらそれらを一人で行い、局面を打開せねばならない。本解説も「受験生の多くが知りたい、手っ取り早い正答例や正答パターン」を示せば、当然それに引きずられて各位が答案執筆をすることになるため、極力避けるよう配慮したいと考えている。文章を書くという行為自体がきわめて内省的な営為だからである
※2 また、参考までに付言しておけば、国公立・私立を問わず、また志望校の難易を問わず、上記の他大学出題解説は役に立つものなので、閲読しておいてください(×「国公立だから関係ないや」「私立だから見なくていいか」)
※3 答案を執筆した際は、出題分析の質の高さが担保された添削講評を受ければ、いわゆる「書きっぱなし」にならずに済むため、当校ほかで提供している「単発添削」や「講座受講」を活用することを勧めておきます
※4 なお、当校講師は社会情報学、メディア研究で博士課程で修学した経験や私立大学で「情報社会論」の講師を務めた経験があるため、東大情報学環(大学院修士課程)入試や社会科学系大学院修士課程入試の論文指導も可能です
- 下記の【基本講座】で《いますぐに取り組めること》《取り組んでおくべきこと》をレクチャーし、二次試験までのスケジュールを組んだうえで、合格へ導きます。
- 他大学を含めた受講申込が多い際、人数制限を設ける予定のため、早めの申込(受講枠確保)がお勧めです。
講座・コース群 ※受講申込受付中
基本講座
国公立二次対策も
早慶専科講座
一般選抜・推薦選抜
早稲田スポ科
専科講座
学芸大
専科講座
単発添削
コース
- 上記の【各講座】で《いますぐに取り組めること》《取り組んでおくべきこと》をレクチャーし、二次試験までのスケジュールを組んだうえで、合格へ導きます
- 受講申込多数の際、人数制限を設ける予定のため、早めの申込(受講枠確保)がお勧めです
具体的な対策問題
過去問以外に、どのような問題に取り組むことが小論文対策になるかわからないといった相談の声が寄せられることがあります。
当校では、アドミッションポリシーを分析し、過去問以外で事前に取り組むべき対策問題を選定して提示するほか、時事課題論文については新聞記事から作問して用意するケースもあります。
参考)東大情報学環・お茶の水女子大・一橋大 院試過去問
例えば、東大情報学環(大学院修士課程)入試では、次のように出題される(2020年過去問)。
院試では課題文は与えられないことが一般的です。
以下はお茶の水女子大と一橋大の修士課程の過去問(2023年)。
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