川崎市立看護大学 一般選抜[前期][後期]&学校推薦選抜&社会人選抜 小論文の概要と傾向
試験の概要
出題形式:
※大学HPで公開
配点:段階評価
時間:80分
注目すべきは、特待生制度で入学金と2年間の授業料が免除されることである。特待生枠は5名である。成績上位5名を目指したい、狙いたいという方は、当校受講申込時にその旨を伝えてください。それに即したレクチャーを行います。
出題の傾向
難易度:標準
※以下、青地はリンク
【概略】
課題文は、論文というよりも平易な新聞記事やエッセイ、論考から採られている。読解すべき文章量は少なく、800字つまり400字詰め原稿用紙2枚を書くにあたって、80分という時間設定は十分な余裕がある。
具体的には次のような問題が直近で出題されている。
令和5年度 学校推薦選抜
マスク着用のメリットとデメリットおよび対応策に関する意見論述
令和5年度 一般選抜[前期]
多様性を認め合う社会に関する新聞記事要約と意見論述
令和5年度 一般選抜[後期]
経験をめぐる3つの内在化過程の説明と意見論述
令和5年度 社会人選抜
がん患者の就労上の課題と解決策に関する意見論述
要するに、課題文の主張点を要約したうえで、「あなたの考えを述べよ」つまり意見論述が求められている。
ポイントは、次の二点である。
対策【ポイント1】
平易な課題文である以上、要約に苦労することはないだろう。その一方で、小論文という試験科目である以上、あくまでも論文形式で答案を書かねばならない。
端的に言えば、論文形式では次の構成をとることが求められる。着実に合格するために受験者は論文形式での意見論述の仕方を習得しておく必要がある。
《論文の「型」とは》
①問題意識・問題提示 ~人間や社会にとってなにが重要なのかを示す
②観察(の記述)~具体的事例を上げたうえで、それについて説明する
③分析 ~その事例はどのような特徴があるのか(どのような特徴があると導き出せるのか)
④考察 ~①・②・③をふまえ、さらに鋭く結論としてまとめる
※小論文の書き方を参照
他大学ながら、山口県に所在する周南公立大は過去問とともに詳しい問題講評を公開している(周南公立大 学校推薦選抜&総合型選抜&一般選抜【小論文解説】を参照のこと)。ここまで詳細な問題講評を大学側が開示することはきわめて稀であり、小論文の初歩的なNGポイント(当サイト参照)が紹介されているため非常に有用である。次の三点のみ紹介しておこう。そのなかで、次のようなコメントが記載されている(大学による問題講評コメントの引用については、わかりやすくするため斜体にした)。
1.論文形式について
「私は」で書き始めない、文中で用いない
論文を作成する上で、採点者が読み取りやすい文字で書く(丁寧さ、濃さ、等)、誤字・脱字に注意する、文の始まりに「私は」を用いない、「~なのだ」といった断定的な表現を用いないなど、基本的な作成技法が身に付いていない受験生が多いように感じた。
2.意見論述と持論
「あなたの考えを述べよ」と「私の祖父母は○○を実践している、等」
図表読解の問題では与えられた情報からどこまで論理的に課題解決の方法を論じられるかが重要であるが、図表には全く示されていない根拠のない情報(テレビで見た、等)を用いて飛躍した持論を展開する解答(私の祖父母は○○を実践している、等)も散見された。
※《図表を含む資料読解問題》と《文章からのみ構成される論考や記述の読解問題》とは、基本的に変わらない。「見た目」が異なるので、別の「解き方や答え方のテクニックが必要」と勘違いする受験生がきわめて多い(兵庫県立大 看護学部 学校推薦選抜&[前期]一般選抜【小論文解説】を参照のこと)。
3.論文の型について
上述の①~④に対応している
全体を通して、図表に示されている客観的事実をただ説明しているだけの解答が多く、図表から重要な情報を読み取り、その情報がどのような社会情勢や人間の行動・心理を反映しているのかについて深く考察している解答が極めて少なかった。
つまり、川崎市立看護大学の出題でも論文形式による答案記述を行わねばならない。それは着実に合格するためにはもちろんのこと、特待生を狙う際にも求められるものである。
対策【ポイント2】
では、どのように答案小論文を書き進めればいいのか。小論文答案の作成手順は次の通りである。
《論文の「型」》
①問題意識・問題提示 ~人間や社会にとってなにが重要なのかを示す
②観察(の記述)~具体的事例を上げたうえで、それについて説明する
③分析 ~その事例はどのような特徴があるのか(どのような特徴があると導き出せるのか)
④考察 ~①・②・③をふまえ、さらに鋭く結論としてまとめる
講座受講者には当方へ提出された答案から具体的な記述に関して指摘を行っていくが、一言でいえば、与えられた課題文が《論文の「型」》でいうところの《②観察(の記述)~具体的事例を上げたうえで、それについて説明する》に該当するのである。
つまり、課題文を論者(筆者)に代わって端的に紹介する(要約)。
そのうえで、課題文の具体的事例や主張点はどのような特徴があるのかを分析し、それを記述する
《③分析 ~その事例はどのような特徴があるのか(どのような特徴があると導き出せるのか)》。
そして、《④考察 ~①・②・③をふまえ、さらに鋭く結論としてまとめる》必要がある。
ということは、《①問題意識・問題提示 ~人間や社会にとってなにが重要なのかを示す》は、④と対応する呼応関係である必要もあったというわけである。
手順をわかりやすく示せばこのようになる。
周南公立大の親切で詳細な問題講評は大きな参考になるはずである(周南公立大 学校推薦選抜&総合型選抜&一般選抜【小論文解説】)。そして、具体的な答案小論文でそれを具現化、具体的に行っていく必要もある。
当校の基本講座では、論文形式による合格できる小論文答案の書き方を詳しく、そしてわかりやすくレクチャーします。
合格者の声
看護学部を目指す受験生向けの特別コンテンツ
- インタビュー冒頭部分(約9分)
- カフェでの取材だったため、周囲の音が入っていることを予め了解下さい
対応講座・コース ※受講申込受付中
大学入試の小論文解説・正答例&Web講義
講座・コース群 ※受講申込受付中
精度の高い分析に基づいた小論文対策で志望校合格へ
~質の高いオンライン個別指導で「受かる」小論文が書けるようになる~
総合型選抜
小論文対策にくわえて志望書添削・面接練習・対策も行いたい方向け
一般選抜
難関中堅国公立・私立大学の小論文対策を着実に行いたい方向け
時期や要望に応じた講座・コース群 ※受講申込受付中
夏休みが終わり、大学共通テストの出願受付が始まりました。「小論文は、副科目」と準備を後回しにしてしまうと、「早めにやっておくべきだった…」と直前期に後悔することになりかねません。受験に打ち勝つためには冬を迎える前の準備開始が重要です。本格的な小論文対策を始めましょう。
※10月中いつからでも対策開始への対応が可能な講座・コース群です
【1カ月コース】
※直前対策
直前期に短期間で高い精度の準備をしたい人へ!
↑小論文対策・資料読み取り問題を急ピッチで、そして高い精度で仕上げたい人向け
【2カ月コース】
※早期対策
夏から小論文対策をスタートさせた受講生がいます!
↑2カ月前ころから準備を開始しておいて、焦らずにアドバンテージをとりたい人向け
【3カ月コース】
※早期対策
昨年1点差で惜しくも涙をのんだ既卒生も受講中!
↑3か月前ころから着実に準備を開始し、他の受験生に圧倒的な差をつけたい人向け
【4カ月コース】
※月謝制
読み、書く力がグンと上がった現役生が受講中!
↑小論文は「書いたことがない」、でも来年初に小論文対策を完成させたい人向け
基本講座
国公立二次対策も
※専科講座以外の大学学部
※総合型選抜&一般選抜
※1・2・3・4カ月コース
ハイレベル講座
難関国公立・早慶向け
※難関国公立・早慶向け
※総合型選抜&一般選抜
※1カ月コース
早慶専科
一般選抜・総合型選抜
※早慶各学部全般
※総合型選抜&一般選抜
※1・2・3・4カ月コース
スポ科専科
一般選抜・総合型選抜
※2025年度総合問題対策
※スポーツ推薦選抜&一般選抜
※1・2・3・4カ月コース
慶応文専科
一般選抜・総合型選抜
※難度の高い小論文対策
※自己応募推薦&一般選抜
※1・2・3・4カ月コース
学芸大専科
一般選抜・総合型選抜
※各学類・コースに対応
※学校推薦型選抜&一般選抜
※1・2・3・4カ月コース
※各講座・コースとも受講人数に限りがあるため、お申し込み先着順となりますこと予めご了承ください
難関国公立・早慶小論文向け早期対策の決定版
社会科学・人文科学系を志望する受験生対象
※各コースとも受講人数に限りがあるため、お申し込み先着順となりますこと予めご了承ください
『受かる小論文-基礎編』LINE登録で進呈!
正答例を無料プレゼント
LINE登録のうえ、「大学・学部・学科・年度・試験方式」を記載のうえ、「小論文正答例希望」と返信・投下ください
『小論文入門』(PDF書籍)紹介
これ1冊で本格的な小論文対策が学べる入門書。受講生・購読者から大きな反響
¥2,980円(税抜)¥3,278円(税込)
動画解説(※画像クリックで遷移)
小論文の書き方
- 小論文に関する基本的な考え方や知識(①②③)
- 各大学の入試小論文解説(④)
- 正答例にくわえてWeb上での講義(⑤)
- 当校受講生の合格者の声(⑥)
を以下のリンクからみることができます。
具体的な対策問題
過去問以外に、どのような問題に取り組むことが小論文対策になるかわからないといった相談の声が寄せられることがあります。
当校では、アドミッションポリシーを分析し、過去問以外で事前に取り組むべき対策問題を選定して提示するほか、時事課題論文については新聞記事から作問して用意するケースもあります。
参考)東大情報学環・お茶の水女子大・一橋大 院試過去問
例えば、東大情報学環(大学院修士課程)入試では、次のように出題される(2020年過去問)。
院試では課題文は与えられないことが一般的です。
以下はお茶の水女子大と一橋大の修士課程の過去問(2023年)。
受験生へのアドバイス
※1 受講生には繰り返ししつこく伝えてきたところではあるが、本試験では当校なりが臨席したうえで隣で答案執筆の介助や補助線を引くことはもちろんできない。サッカー選手のように、ピッチ上に出場した選手としてドリブル、パス、ポジショニングの自己判断を下しながらそれらを一人で行い、局面を打開せねばならない。本解説も「受験生の多くが知りたい、手っ取り早い正答例や正答パターン」を示せば、当然それに引きずられて各位が答案執筆をすることになるため、極力避けるよう配慮したいと考えている。文章を書くという行為自体がきわめて内省的な営為だからである
※2 また、参考までに付言しておけば、国公立・私立を問わず、また志望校の難易を問わず、上記の他大学出題解説は役に立つものなので、閲読しておいてください(×「国公立だから関係ないや」「私立だから見なくていいか」)
※3 答案を執筆した際は、出題分析の質の高さが担保された添削講評を受ければ、いわゆる「書きっぱなし」にならずに済むため、当校ほかで提供している「単発添削」や「講座受講」を活用することを勧めておきます
※4 なお、当校講師は社会情報学、メディア研究で博士課程で修学した経験や私立大学で「情報社会論」の講師を務めた経験があるため、東大情報学環(大学院修士課程)入試や社会科学系大学院修士課程入試の論文指導も可能です
コメント