
東京大学 文科[2025年2月25日実施]二次試験《国語》 の概要と対策


2025年4月より私立大学で講義科目[ロジカルライティング]を大学教員として教える講師がレクチャーする高水準でわかりやすい大学入試小論文講座


- 他予備校の塾講師や大学生アルバイト講師とは、水準や視点がまったく異なります
- 他塾とは異なる圧倒的に高いクオリティーのレクチャー内容を提供します

◉2025年度入試で私立大学の二次試験、国公立大学の前期日程試験において課された小論文、総合問題から、《一カ月で対策する科目》ではなく、《他教科と同様に着実な準備が必要な科目》へと変化しつつあります。
◉いち早く対策を開始することが2026年度入試での合否の鍵を握っています。
◉小論文を「合否をわける重要科目」として捉えたうえで、しっかりと腰を据えて時間を投じながら対策と準備を進めることが重要です。
◉受験に打ち勝つためには着実な小論文対策をおこなう必要があります。ライバルに差をつける高い水準の小論文準備をおこないましょう。
◉2025年4月以降から、対策と準備を丁寧に進める小論文講座群を開講します。
☞本年度受講生の所属高校 ※一部抜粋
【公立】
日比谷高校(東京)都立国際高校(東京)小松川高校(東京)川越高校(埼玉)湘南高校(神奈川)横浜緑ケ丘高校(神奈川)川和高校(神奈川)横浜市立南高校(神奈川)石橋高校(栃木)五条高校(愛知)名古屋西高校(愛知)甲府第一高校(山梨)風越高校(長野)神戸高校(兵庫)宝塚北高校(兵庫)伊丹高校(兵庫)鳴滝高校(長崎)五島高校(長崎)James B conant high school(シカゴ)ほか
【私立】
国学院高校(東京)本郷高校(東京)桜美林高校(東京)青陵高校(東京)杉並学院高校(東京)江戸川女子高校(東京)昇華学園高校(東京)品川女子高校(東京)共立女子高校(東京)桐蔭学園高校(神奈川)英理女子学院高校(神奈川)芝浦工大柏高校(千葉)秀明高校(埼玉)開智高校(埼玉)浜松日体高校(静岡)盛岡中央高校(岩手)福岡大大濠高校(福岡)筑紫女学園高校(福岡)昭和薬科大学附属高校(沖縄)ほか
小論文試験は、
①高校で「小論文」といった授業科目が設定されておらず、
②また、「小論文」という高校教科書があるのでもなく、
③高校で「小論文の書き方」を教わった経験のない人も多い、
④そして、正答例を「なんとなく『眺める』」だけで、実力が自ずと向上するわけでもない
いわば「ないない尽くし」のなかで学習を進める対策が難しい科目です。
本番の試験で着実に高得点を取るには、
①論文とはそもそも何か
②論文のルール、作法、構造とはいかなるものか
③論理的思考力、表現力、読解力をどのように培うか
④図表読み取り問題で問われる《情報の取り出し》《解釈》《評価》
について理解したうえで、的確に対策と実践演習を進める必要があります。
合格者の声(2025年度大学入試)



































出題解説
令和7(2025)年度出題 ※2025年2月25日実施試験
東大の国語に関して、文系は150分(2時間30分)が与えられている。2025年度入試では、大問1が評論文、大問2は古文、大問3は漢文、大問4が小説であった。これら四つの大問に対して振り向けられる時間は、単純計算すれば、各問にそれぞれ37.5分である。
第一問は、四つの記述設問が設定されている。設問(一)から(四)をそれぞれ70字と想定し、設問(五)が120字だから、合計で280字+120字=400字となる。つまり、原稿用紙1枚分の執筆分量である。この第1問にかけられる時間をおよそ35分として、読解に15分を費やすと想定すれば、記述設問に充てられる時間は一問に対して約3分から4分となる。要約をさせる各記述設問にそれほど多くの時間はかけられないということを意味している。体感的には「やや時間が切迫する」はずである。

なんと本試験の10日前の講義でレクチャーしていた重要概念である「想像の共同体」が出題された‼
https://youtu.be/pyc_IzFqdig







東大国語対策
その対策として、次の二点が挙げられよう。
一つは、評論文に慣れることである。これは《読む》ことに慣れると同時に、《書く》ことにもこなれておく必要があることを意味している。具体的には、論理国語教科書に採択された論考や岩波新書ほか新書の論考を普段から読むことが求められる。その要約を書いた際には、確かな学問的背景をもつ教師や講師に確認してもらうことを勧めたい。端的に言って、注釈にメルロ・ポンティが登場する論考である。ただ単に「”受験の国語”によく慣れている」程度あるいは「参考書ルート」などと表層的な「受験テクニック」にばかり拘泥する塾や教師では、心もとないと言わざるを得ない。課題文として採られている論考を見通すことができないからである。
もう一つは、当校がいわば「手前味噌」に湾曲させた見解のように聴こえるかもしれないながら、小論文に関する学習を同時におこなうというものである。小論文となれば、「いや東大は試験科目に設定していないから、それは無駄である。論理的にもおかしい」となるだろう。ここで当校が強調しておきたいのは、小論文試験向けの対策というよりも、《論理的な文章とはどのような構造をもつものなのか》《そもそも論文とはなんなのか》といった点への理解を指している。当校の見立てでは、もちろん東大の国語出題は「あなたの考えを述べよ」といったいわゆる小論文型の試験科目として設置しているわけではないものの、他大学での小論文試験にきわめて近い。要するに、提示した論考の要約をさせるという点で、日本の大学入試における[国語]と[小論文]は接合しつつある。
当校の「感覚」でいえば、東大の国語現代文、とりわけ評論文出題に関しては、小論文試験に「近い」。高度な内容の論考、評論文を与えたうえで、まずまとめさせる。ここまでは東大のいわゆる文系学部の学校推薦入試で課されている小論文試験ばかりでなく、多くの難関国公立・私立大学の小論文試験と相同である。小論文試験の場合には、それを踏まえて自身の意見や主張を展開させるわけだが、双方の試験科目ともその論考は結局なにを主張しているのかを要約させる、つまり把握させる点で変わりない。

したがって、東大のみならず旧帝大の[国語現代文]への対策は、当校でおこなう小論文対策と共通点が多い。これはつまり、[国語現代文]と[小論文]とが接近し、双方の境界はあまりないような状況になりつつある点を示唆している。要するに、「難しい」評論文を選択肢から正答を選ばせるのではなく、記述で要約をさせる。それはまさに大学入学後の修学で求められるものである。


第一問 設問(一)

代ゼミ解答例(64字)
生後一年ごろまでの人間の乳児は鏡に映る自身の身体を他者として知覚しており、眼前の鏡像を遊び相手である他者として認識しているから。
代ゼミ解答例に対する講評、コメント
《自己と他者》《身体》といったキーワードが盛り込まれている点はよい。この語が答案に入っていなければ、失点となろう。また、自己を自身と言い換えている点も評価されるはずである。ただし、設問は「構造を遊び相手として扱うような振る舞いを見せる」理由を問うている。当校解答例のように、身体に依拠した「いま-ここ」に自身が存在しているという自己認識(課題文論考では「体性的感覚」と表現している)と視覚的情報とが分断され、統合されていない点を論じている旨について言及する必要があるだろう。
設問は、赤ん坊が鏡に映った自己の鏡像を他者として認識して「遊ぶ」とはなぜなのか説明するよう要求している。代ゼミ解答例の「眼前の鏡像を遊び相手である他者として認識しているから」は、いわば設問文のいわば同語反復に近い。要するに、設問を再度、答案で記している。そうではなく、繰り返せば「いま-ここ」にあるという自己認識と、鏡に映った「自己」を「他者」として捉えている視覚情報との間に分断があること、統合されていないことを説明する必要がある。そうであれば、設問の「なぜか、説明せよ」という要求に対して、採点者が課題文論考を読まずとも理解できる、つまり要約となる。これは、設問で要約を求められた際のきわめて重要なポイントである。ほかの設問でもぜひ意識してもらいたい。

第一問 設問(二)

代ゼミ解答例(65字)
鏡像を他者と見る時期とそれを自己と認識する時期の間に、他者である鏡像が自己の身体と連動することに奇妙さを感じる時期が存在するから。
代ゼミ解答例に対する講評、コメント
この設問でもキーワードは、《自己と他者》《身体》である。くわえて、課題文で示され設問文にもある《鏡像》も解答で記すべき語である。代ゼミによるこの設問への解答例は、物足りない。「他者である鏡像が自己の身体と連動することに奇妙さを感じる時期が存在するから」は、設問文の繰り返しとなってしまっている。「移行期」とは、「~を感じる時期が存在する」ことであるが、そうした期間が生じる理由や根拠を課題文はどう論じているのかをまとめるのである。幼児にとって経験される鏡像の「他者」と、自身の体性感覚、運動感覚に裏打ちされた自己とが統合できない時期を課題文論考は「移行期」と述べている。
したがって、当校解答例では「鏡像の自己」が、①「まるで他者のようである」点と②「自身の身体をめぐる運動感覚とも連動している」点とが乳幼児の自己をめぐる情報として「統合」あるいは結合していないと記述し、説明した。そうであるがゆえに、代ゼミ解答例はやや答案として不足がある。


第一問 設問(二)

代ゼミ解答例(65字)
群れで育ったチンパンジーは自己から見た他者の身体と、他者から見た自己の身体像を学習しており、後者が鏡像であることが認識できるから。
代ゼミ解答例に対する講評、コメント
この解答は「いただけない」。この解答例の主語は「チンパンジーは」である。たしかに傍線部ウは、課題文論考で示された「鏡像認知ができる数少ない動物の一つである」チンパンジーに関するくだりのものである。しかし、この論者はチンパンジーについて論じたいのではないだろう。あくまでも人間存在の自己と他者をめぐる認識の過程と方法に関心があるのである。類人猿のチンパンジーを提示したのは、そのあとに触れられているメルロ・ポンティが述べた「知性による総合なのではなく、他者との共存に関する総合」である点を述べるためであろう。つまり、あくまでもチンパンジーや類人猿ほか、霊長類全般を課題文論考の限られたセクションでもテーマとしているのではない。したがって、「チンパンジーは」という主語である点は失点対象であろう。
また、代ゼミ解答例は、「前者」として「自己から見た他者の身体」、「後者」を「他者から見た自己の身体像」として、このうち後者を「鏡像」と書いている。しかし、「自己から見た他者の身体」は、実は鏡に映った自己のいわば「写し返し」である。つまり、鏡像は二重構造をなしている。課題文論考からそこまで読み取れる点に留意しよう。したがって、「自己から見た他者の身体」が「鏡像ではない」と読み取れる代ゼミ解答例は、「×」を食らうはずである。表面的な課題文の読み込み、理解ではならない。それは設問(四)へと引き継がれる課題文の論点だからである。
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第一問 設問(四)

代ゼミ解答例(65字)
私たちが鏡に映る自己の像を自分自身として認識するためには、他者とともに生きることを通じて他者の視点から見た自己像を学ぶ経験が必要であり、自身の身体イメージの形成には他者から自己に向けられる視線が不可欠の要素として含まれているということ。


代ゼミ解答例に対する講評、コメント
この設問でもキーワードは、《自己と他者》《身体》であり続ける。さらに課題文、設問文にある通り、《イメージ》もしくは《像》も必ず答案に盛り込むべき語群である。代ゼミ解答例に概ね不満はないものの、気になるのは次の点である。
それは、答案冒頭に「私たちが」と課題文論考に記された「私たちの身体イメージ」に沿って置いている点である。代ゼミ答案は終始一貫して設問文の繰り返しに対する支持と信奉がある。これが現代文国語における要約の課題点であろう。要約とはなにかに関して、本文(課題文)からの抜き出しを基本に据えているようにみえる。減点要素を減らすことを目的としているのかもしれない。
しかし、要約とは設問文を解答で繰り返すことを意味していない。あくまでも課題文論考の説明するところ、述べているところ、主張や意見を《まとめる》ことが求められる。それには課題文論考を俯瞰した視点が重要である。もちろんこれは課題文を等閑視(無視)するようなことは意味していない。「説明せよ」という設問は、採点者が課題文を「読まずとも」答案だけで「なぜか」という理由なり、「どういうことか」という意味や特徴、示唆するものが理解できる必要がある。それは繰り返せば、課題文や設問文を「ただ抜き出す」ことを意味していない。答案執筆にあたって、ひじょうに重要な視点である。
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◉2025年度入試における私立大学の二次試験、国公立大学の前期/後期日程試験で出題された小論文、総合問題を概観すると、この試験科目はもはや《一カ月で対策する科目》ではなく、《他教科と同様に着実な準備が必要な科目》へと変化しつつあることが見て取れます。
◉いち早く対策を開始することが2026年度入試での合否の鍵を握っています。
◉小論文を「合否をわける重要科目」として捉えたうえで、しっかりと腰を据えて時間を投じながら対策と準備を進めることが重要です。
◉受験に打ち勝つためには着実な小論文対策をおこなう必要があります。ライバルに差をつける高い水準の小論文準備をおこないましょう。

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動画解説(※画像クリックで遷移)
小論文の書き方
- 小論文に関する基本的な考え方や知識(①②③)
- 各大学の入試小論文解説(④)
- 正答例にくわえてWeb上での講義(⑤)
- 当校受講生の合格者の声(⑥)
を以下のリンクからみることができます。
大学入試の小論文解説・正答例&Web講義






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具体的な対策問題
過去問以外に、どのような問題に取り組むことが小論文対策になるかわからないといった相談の声が寄せられることがあります。
当校では、アドミッションポリシーを分析し、過去問以外で事前に取り組むべき対策問題を選定して提示するほか、時事課題論文については新聞記事から作問して用意するケースもあります。
参考)東大情報学環・お茶の水女子大・一橋大 院試過去問
例えば、東大情報学環(大学院修士課程)入試では、次のように出題される(2020年過去問)。
院試では課題文は与えられないことが一般的です。






以下はお茶の水女子大と一橋大の修士課程の過去問(2023年)。






※1 参考までに付言しておけば、国公立・私立を問わず、また志望校の難易を問わず、上記の他大学出題解説は役に立つものなので、閲読しておいてください(×「国立だから関係ないや」「私立だから見なくていいか」)
※答案を執筆した際は、出題分析の質の高さが担保された添削講評を受ければ、いわゆる「書きっぱなし」にならずに済むため、当校ほかで提供している「単発添削」や「講座受講」を活用することを勧めておきます
※2 なお、当校講師は社会情報学、メディア研究で博士課程で修学した経験や私立大学で「情報社会論」の講師を務めた経験があるため、東大情報学環(大学院修士課程)入試や社会科学系大学院修士課程入試の論文指導も可能です
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